書きたかっただけです、はい。
――ユリイカソフトにて、ある日。
マリー「ココロ、ちょっといいですか?」
こころ「なんですかマリーさん」
マリー「実は……ここのイベントCGの構図が上手く描けなくて、困っているんです」
こころ「デッサン人形を見ても描けないんですか?」
マリー「はい……。衣装を着せるとどうなるかがイメージできないんです」
こころ「それは……困りましたね」
なな「ふっふっふっ……」
あい「ななさん? どうしたんですか?」
なな「まさか実際にこのセリフが使えるとは!」
あい「……?」
なな「『こんなこともあろうかと』! 基本中の基本っすよね!」
マリー「ナナ、なにかいい案でもあるんですか?」
なな「じゃじゃーん! ニエと魔女の衣装っすよ!」
こころ「いつの間にそんなものを……」
なな「だから、『こんなこともあろうかと』っすよ!」
こころ「説明になっていません」
なな「あはは……。実は師匠のデザインを見たときから、ピンときて趣味で衣装を作ってみたんっすよ」
あい「スゴいです! ななさん!」
なな「ななのコスプレスキルを舐めちゃいかんっすよ」
こころ「……はぁっ……。……わかりました。これを誰かに着てもらって、それをマリーさんにスケッチしてもらいましょう」
あい「誰が着るの、ここ……柳谷さん?」
こころ「そりゃ、作ったななさんとチームで一番ヒマな大鳥さんに決まっているでしょう!」
なな「ところがどっこい! ななはこれから声のお仕事があるんすよね」
こころ「……そういえばそうでしたね。じゃあ、さきさん」
なな「さっちゃん寝てるっすよ」
こころ「くっ……ほのかさん」
あい「えっと……たしか打ち合わせとかで外出しているかと……」
こころ「うっ……じゃあ……」
マリー「着てください、ココロ」
さき「原画家にいい絵を描かせるのもDの仕事のうちでしょ? 着なさいよ」
こころ「さきさん! 起きてたんですか!? だったら!」
さき「私じゃバナナサイズの服は無理でしょ。柳谷のほうがサイズとしてはまだ近いわ」
こころ「わかりました! 着ればいいんでしょ、着れば!」
あい「こ……柳谷さん……」
さき「じゃあ、私は寝るわね」
――数分後。
こころ「ななさん! これ、あたしにぴったりのサイズじゃないですか!」
なな「まあ、そうなるように作ったっすからね。じゃあ、お先っすー!」
こころ「……見届けてから出ていくなんて……なんてことを……」
あい(うわぁ、こころ、魔女の衣装似合う……っていうか、この衣装、胸が……)
こころ「何ですか、大鳥さん」
あい「ひゃぁっ! 違う、こころの胸なんか見てない!」
こころ「胸……?」
あい「大丈夫、凝視してないから、大丈夫」
マリー「二人は仲のいい姉妹なんですね」
こころ「違います。ただの仕事仲間です」
あい「がーん」
こころ「無駄話せずに、とっとと始めましょう、大鳥さん」
あい「……はい……」
マリー「…………」
あい(近い! こころと顔が近い! こんなに顔を近づけたのって何年ぶり……? もしかして、あのときのキス以来……?)
こころ「…………」
あい(……思い出したらなんか顔が火照ってきちゃった……!)
こういう話ですよね?